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レナード・ワイスガードのピーターラビット

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ビアトリクス・ポター以外の画家がイラストを描いた"ピーターラビット"を紹介するシリーズ。 今回はレナード・ワイスガード(Leonard Weisgard)のピーターラビットです。 レナード・ワイスガードについては、改めて解説する必要もないでしょう。アメリカのイラストレーターで、児童文学作家マーガレット・ワイズ・ブラウンとのコンビで有名ですが、自ら文を書いた作品もあります。 生涯で手がけた本は200冊以上。邦訳されたものも沢山あり、絵を見ればすぐに「ああ、あの絵本」とわかるのではないでしょうか。 ワイスガードの絵本 そのワイスガードが描いたピーターラビットの絵本は初版が1955年。今まで紹介してきたものとは違って、さすがに許諾はとっているかと思いますが、実際のところアメリカにおいて、いつから正式に許諾をとるようになったのか、調べてみましたが今いちわかりませんでした。 ちなみにレナード・ワイスガード(1916-2000)が描いたピーターラビットのほうは、もちろん著作権保護期間の真っ只中。したがって、ここに画像をあげることが許されるかどうかは、このブログの目的が著作権上の例外、もしくはフェアユースの要件を満たしているか否かにかかっているわけですね。 見返し(endpaper) ピーターとお母さん、フロプシー、モプシー、カトンテールの三姉妹

エセル・ヘイズのピーターラビット

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今まで、岡本帰一とミロ・ウィンターのものをとりあげてきた“無許可版”のピーターラビット。今回はアメリカの漫画家でイラストレーターのエセル・ヘイズ(Ethel Hays, 1892.3.13-1989.3.19)の絵本を。 ※当時の“無許可版”を取り巻く状況については こちらの記事 で説明しています。 エセル・ヘイズは元々、新聞連載の漫画を描いていた漫画家。1920~30年代にかけて、その分野で最も成功した女性の一人と言われています。 その後、結婚・出産を経て児童文学のイラストレーターとして活躍するようになりました(彼女の経歴については、またいずれ)。 ヘイズが描いたピーターラビットの絵本が出版されたのは1942年。前回のミロ・ウィンター同様、すでに確固たる地位を築いた上での仕事でした。 古書として流通しているものを見ると、表紙は少なくとも4~5種類はあるようです

ミロ・ウィンターのピーターラビット

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以前、1920年代に描かれた、 岡本帰一によるピーターラビット  を紹介しましたが、今回はミロ・ウィンター(Milo Winter, 1888-1956)によるものを。 ミロ・ウィンターは、アメリカのイラストレーターで「不思議の国のアリス」をはじめ「アラビアンナイト」や「イソップ寓話」など様々な物語の挿絵を描いています。 「不思議の国のアリス」の挿絵 (1916年) こちらの“ピーターラビット”の絵本は1930年代後半に出版された作品で(初版は1937年?)、文章はビアトリクス・ポターの原文をそのまま使用しています。 が、おそらくこれも無許可版。前回も書きましたが、当時はまだ著作権の制度──特に他国間における制度が今ほど確立しておらず、アメリカを中心に翻案やキャラクターのみ使用したオリジナルまで、沢山のピーターラビット本が出版されました。 面白いのは、このミロ・ウィンター版ピーターラビットが出版された時、ウィンターはすでに成功した著名なイラストレーターだったこと。このことからも当時の“無許可版”は、現代の“海賊版”とはかなりイメージの異なるものだったことが窺えます。

岡本帰一のピーターラビット

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2023年は卯年🐰 なので、今年最初の投稿はウサギのお話から。 岡本帰一による、ビアトリクス・ポターのピーターラビットの翻案“イッポンマツ ピョンスケ”は、1925(大正14)年に雑誌「コドモノクニ」に掲載されました。 私は長らく“イッポンマツ ピョンスケ”がタイトルだと思っていたのですが、タイトルは「兎の家庭」だったようです。兎の家庭…。