ヴァイオレット・エッジコム・ジェンキンス(Violet Edgecombe Jenkins)
イギリスの画家で児童書のイラストレーターでもあった、ヴァイオレット・エッジコム・ジェンキンス(Violet Edgecombe Jenkins, 1876-1943 ※生没年は “Artist Biographies” による)。 活動期間は1920年代までの約20年ほど─多く見積もっても20数年程度と短く、彼女についての情報も少ししかありません。 ネット上のプロフィールでは大抵 “旧姓 Shepherd”と書かれていますが、その名前で描かれた作品は見当たらず、彼女のものとして確認されているサインは“Violet Edgecombe Jenkins”または“V. E. Jenkins”です。 画家としては、ロイヤル・アカデミーやロイヤル・スコティッシュ・アカデミー、王立水彩画家協会、グラスゴー美術研究所(Royal Glasgow Institute of the Fine Arts)、リバプールのウォーカー美術館などで作品が展示された記録があり、それなりに活動していたようです。 イラストレーターとしては、それほど大きな仕事はなく、1冊の本に複数の作家やイラストレーターの作品が収録されているタイプの児童書が多かったよう。現在売買されている作品も、そういった本から直接切り取られたものか、その複製がほとんどです。 確かに一目でそれとわかるような個性には欠けるかもしれませんが、優しく爽やかなイラストは不思議と印象に残ります。誰もが知る画家とは言えなくても、百年ほども経った今でもこうして作品が残っていることがひとつの答えのように思います。 "What Can You See?" 'Blackie's Childrens' Annual' から "A Branch of Study" 1925年 1920年代