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ミロ・ウィンターのピーターラビット

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以前、1920年代に描かれた、 岡本帰一によるピーターラビット  を紹介しましたが、今回はミロ・ウィンター(Milo Winter, 1888-1956)によるものを。 ミロ・ウィンターは、アメリカのイラストレーターで「不思議の国のアリス」をはじめ「アラビアンナイト」や「イソップ寓話」など様々な物語の挿絵を描いています。 「不思議の国のアリス」の挿絵 (1916年) こちらの“ピーターラビット”の絵本は1930年代後半に出版された作品で(初版は1937年?)、文章はビアトリクス・ポターの原文をそのまま使用しています。 が、おそらくこれも無許可版。前回も書きましたが、当時はまだ著作権の制度──特に他国間における制度が今ほど確立しておらず、アメリカを中心に翻案やキャラクターのみ使用したオリジナルまで、沢山のピーターラビット本が出版されました。 面白いのは、このミロ・ウィンター版ピーターラビットが出版された時、ウィンターはすでに成功した著名なイラストレーターだったこと。このことからも当時の“無許可版”は、現代の“海賊版”とはかなりイメージの異なるものだったことが窺えます。

古屋白羊 (FURUYA Hakuyo)

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 戦中から戦後にかけて、本の挿絵や絵本を描いていた画家、古屋白羊(FURUYA Hakuyo, 1899-1959  ※“古家白羊”名義のものもあります)。 主に戦後に描かれた絵本がとても可愛いのですが、確認できる作品群から察するに活動期間は10年余りと短く、本名が古屋輝義(てるよし)であることと生没年以外の情報が見つかりません。 大きく再評価されない限り、いずれ忘れられた画家のひとりになっていってしまうのかもしれませんが、幸い今のところは 国立国会図書館のサイト や古書で比較的容易にその作品に触れることができます。 絵そのものの魅力だけでなく、描かれたあれこれから当時の子どもたちの暮らしの様子が見えて、資料としても興味深い。 多くの人が関心を持てば、それにつれて新しい情報も出てくるのでは…という期待も込めて、特に可愛いところを御紹介します。 「おままごと」1948(昭和23)年

イザベラとバジルの鉢(Isabella; or, The Pot of Basil)

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 “イザベラとバジルの鉢”の物語は、もともとはイタリアの作家ジョヴァンニ・ボッカチオ(Giovanni Boccaccio, 1313-1375)による物語集「デカメロン」の中の一話。それを下敷きにして、19世紀にイギリスの詩人ジョン・キーツ(John Keats, 1795-1821)が書いたのが「イザベラ、あるいはメボウキ(バジル)の鉢:ボッカチオより(Isabella; or, The Pot of Basil:A Story from Boccaccio)」です。 あらすじは以下の通り。

レジナルド・ヒギンス (Reginald Higgins)

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イギリスの画家、イラストレーター、グラフィックデザイナーのレジナルド・ヒギンス(Reginald Edward Higgins, 1877.3.31-1933.2.11)。 ロンドン中心部のパディントンで生まれた彼は、セントジョンズウッド・アートスクールとロイヤルアカデミー・オブ・アーツ(王立芸術院)で学びました。 イラストレーターの仕事では、ロンドン・アンド・ノース・イースタン鉄道(※注)の広告ポスターが有名。 ちょっと面白い経歴としては、オリンピックの種目として芸術部門があった時代の1928年、アムステルダム大会に参加したという記録が残っています。 ※注):イギリスの四大鉄道のうちのひとつで、戦後国有化された。優れたアーティストを多く起用した広告ポスターで知られている。