アリス・ビアード(Alice Beard)
アメリカの画家、イラストレーターのアリス・ビアード(Alice Beard, 1867-1949)は、オハイオ州のシンシナティで生まれました。
19世紀末、或いは20世紀の初め頃から1940年代までと、かなり長いキャリアを持ちながら、その生涯についてはあまりよく知られていません。
イラストレーターで作家でもあり、後進の育成にも尽力したハワード・パイル(※注)に師事し、国立デザインアカデミーや全米女性芸術家協会などの様々な展覧会で作品が展示された記録が残っています。また、パリのサロンにも出展していたことがわかっており、ヨーロッパでも学んだ可能性があるかもしれません。
「人生の大半をニューヨークで過ごした」と言われていることから、時期は不明ですが、比較的早い時点でニューヨークに移り住んだと思われます。その後、亡くなるまでニューヨークを拠点に活動しました。
“Sunday Magazine” 表紙 1908年
(via Pinterest)
“Harper's Weekly” 表紙 1909年
“Sunday Magazine” 表紙 1910年
“Sunday Magazine” 表紙 1911年
“At Flower Farm” 挿絵 1909年
“Honey Sweet” 挿絵 1911年 Internet Archive |
文・絵ともにビアードによる仕掛け絵本“The Magic String Book” 1916年
(via eBay)
仕掛け絵本“Mother Goose Movies” 1917年
(via eBay)
“Peggy of Roundabout Lane” 挿絵 1917年
“The Surprise Book” 口絵 1917年
“Elizabeth Bess: A Girl of the Sixties” 挿絵 1917年
“For Days and Days; A Year-Round Treasury of Child Verse” 口絵 1919年頃
“At the Flower Market” 1912年頃?
“Woman's Home Companion” 表紙 1923年
(via Pinterest)
“Through Fairy Halls”
“Spring in Central Park”
“Merry-go-round” 1928年
共同執筆者として最も多く組んだのは、同じくハワード・パイルの門下生であったフランシス・ロジャースで、9冊の共著があります。
※注) ハワード・パイル(1853-1911):アメリカのイラストレーターの草分け的存在で、作家でもあった。
後進の育成にも熱心だったパイルは、フィラデルフィアにある現在のドレクセル大学で数年間教えた後、1900年には自身の美術学校を設立。その起源が、デラウェアにあるブランデーワイン川のほとりで彼が開いていた教室だったことから、後にその学校を“ブランデーワイン学校”、そこで学んだイラストレーターたちを“ブランデーワイン派”と呼ぶようになった。
有名になった教え子には、アンドリュー・ワイエスの父であるN・C・ワイエスやマックスフィールド・パリッシュなどがいるほか、ジェシー・ウィルコックス・スミスら“レッド・ローズ・ガールズ”のメンバーやベッツ姉妹、エリナー・アボット等々、女性イラストレーターも多く輩出した。
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