Henny Box(ヘニー・ボックス)
幼い頃から絵を描くのが好きだったヘニー。
それを見た隣人のグラフィックデザイナー、ヤン・バータス・フーケロムがヘニーの才能に気づき、自分が教師を務めていた応用美術学校への入学を勧めたと言います。
学校でグラフィックデザインとイラストレーション、ドローイング等を学んだ後、ヘニーはアムステルダムのポストカードの出版社と契約(当時のことですから、正式な契約というよりは買い取り制の出来高払いだったと思います)。
おとぎ話や子どもたちの日常を描いたカードで好評を得ました。
その後、絵本の挿絵も描くようになり、自ら文章を書いた絵本も出版していますが、実際のところ彼女が何時その仕事を始め、何時どの本を描いたのか、正確なことはわかっていません。
というのも、彼女が関わった本はいずれも、無名の出版社が発行した安価なもので、出版社の記録はもとより、本自体にも日本でいう奥付のような情報が入っていないことが多いため。
おそらく元の原稿等も少なからず散逸してしまったのではないかと思われます。
更に、活動期間が短かったことも情報が少ない一因でしょう。2008年まで存命ではあったものの、仕事の上では結婚・出産を機に事実上の引退となっており、その活動は1930年代を中心とした、ごく一時期に限られています。
いわば、ヘニー・ボックスという画家自体が無名の存在であり、ひと昔前ならすっかり忘れ去られていたのかもしれません。
幸いなことにポストカードの一部は、少なくとも近年までは現行品として印刷されていたようで、こちらは日本でも入手可能です(※2021年12月現在)。
Via Pinterest
ポストカード Flickr:neintje |
絵本“Harlekijntje poppenstad” Flickr:janwillemsen |
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