ジャックと豆の木 (Jack and the Beanstalk)


先日、Twitterで「ジャックと豆の木」の挿絵を幾つかあげたので、こちらでももう少し。
「ジャックと豆の木」のお話は、イギリスの伝承を再話した“Jack and the Beanstalk”として知られていますが、これに類似した物語は世界各国で見られ、起源は数千年前に遡るとも言われています。

長らく愛されてきた物語なだけあって、昔から様々な画家やイラストレーターが描いており、その多くはジャックが豆の木をよじ登るシーンを描いているので、並べて見比べてみるのも面白い。…というわけで、以下Twitterにあげたものも含めて色々な画家によるジャックたちを。

ジェシー・ウィルコックス・スミス
(Jessie Willcox Smith)
1911年
このイラストは、何故か上部がトリミングされていることが多い
ジェシー・ウィルコックス・スミス
(Jessie Willcox Smith)
1916年
エリザベス・タイラー・ウォルコット
(Elizabeth Tyler Wolcott)
1918-1920年頃
ミルドレッド・リオン
(Mildred Lyon)
1922年
マギネル・ライト・エンライト
(Maginel Wright Enright)
1920年
ジョイス・マーサー
(Joyce Mercer)
1927年
ワーウィック・ゴーブル
(Warwick Goble)
エリザベス・カーティス
(Elizabeth Curtis)
1917年
フローラ・ホワイト
(Flora White)
1910年頃
ミリセント・サワビー
(Millicent Sowerby)
リリアン・エミー・ゴーヴェイ
(Lilian Amy Govey)
1920年代
シャーロット・ストーン
(Charlotte Stone)
1931年
Linda E O Gerton ?
1920年代
作者不詳
下のほうにイニシャルが見えますが、該当するイラストレーターを見つけることが出来ず
作者不詳
“Journeys Through Bookland”(1909年)収録
ルイス・ウェイン
(Louis Wain)
1904年
ウォルター・クレイン
(Walter Crane)
1875年

敢えて豆の木をよじ登るシーンを描かなかった画家もいます。
アーサー・ラッカムは「English Fairy Tales」(1918年)で、このお話のためにカラープレート1枚とモノクロの挿絵を2枚描いていますが、それがこちら。↓
ラッカムにとっては、ジャックより巨人のほうが題材として魅力があったようですね


ところで、私が子どもの頃「ジャックと豆の木」の絵本でいちばん好きだったページは、冒頭の牛と豆を交換するシーンでした。
今となってはもう、あれを描いた画家の名前を確かめる術もありませんが、カラフルでつややかに光る豆の絵に「これは確かにちょっと欲しくなってしまうかも」と思いながら眺めていたのを覚えています。
絵本か、何枚もの挿絵が入っているものでないと、このシーンは描かれないことも多いので、特に古いものでは並べて比べるほど見つけられないのが残念。
ウォルター・クレイン
(Walter Crane)
マーガレット・エヴァンス・プライス
(Margaret Evans Price)
アーサー・ラッカム
(Arthur Rackham)
※別バージョン


同じ題材で描かれた様々な画家の作品を見比べる場合、Twitterだと4枚ごとにしかまとめられないので、こちらでも少しずつまとめていけたらいいなと思っています。
次回、いつ何のテーマになるかわかりませんが、つづく。



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